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2012-12-25(Tue)

楽園のカンヴァス(原田マハ)

「手に汗にぎる絵画鑑定ミステリー」と銘打っていますが、ミステリーを装った作者のアンリ・ルソーへの熱烈なラブレターです。


二人の若き研究者や伝説的コレクター、さらにはピカソ、ルソーの傑作「夢」のモデルの女性まで使い、ルソーへの迸る想いをぶちまけています。その愛の前では本書の登場人物たちのキャラクターはおろか、ストーリー展開すら霞んでしまいます。
それ故に不満に思う人もいるかもしれませんが、僕は本書に貫かれた作者の愛に圧倒され、最後まで一気に読んでしまいました。
一枚の絵の真贋判定を迫られる若い男女の研究者の闘い、その判定の資料となる謎の古書から伝わってくるルソーの素顔に愛着を覚え、作者の大胆な仮説に息を飲みました。

作者の思いは細部にも宿っています。
闘いの最中、あるきっかけで二人は動物園に行き、語り合います。
美術館とは芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は芸術家たちが表現の対象としてみつめ続けたこの世界の「奇跡」が集まるところ。
アートを理解するということは、この世界を理解するということ。アートを愛するということは、この世界を愛するということ。
この日を境に二人の関係はそれまでとは違ったものになっていきます。

この記念すべきデートの場面となった動物園はルソーが世界で一番好きな場所でもあります。
ルソーはあるとき友達に言いました。
「動物や植物を見ているとき僕はまるで夢の中に入っていくような気がするんだ」
アンリ・ルソー
(異国風景)

読後感は爽快で、おはなし名画を手に、ゆっくりとルソーの作品を眺めながらルソーの人生に思いを馳せました。
絵画好きには堪らない作品です。あるいは本書をきっかけに絵画好きになる人もいるかもしれませんね。

「おはなし名画シリーズ」の「アンリ・ルソーとシャガール」


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