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    1.画家になろう!(絵:種蒔く人)

    ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは1853年にオランダの小さな町に牧師の子どもとして生まれました。二人の弟と三人の妹がいましたが、すぐ下の弟テオとは大の仲良しでした。
    ゴッホは大人になってから美術商、フランス語の先生、本屋さん、牧師など色々な仕事をしましたがどれも上手くいきませんでした。
    「僕は何かに役立つ人間のはずだ。僕には何か目的があるはずだ」
    子どもの頃から絵が大好きだったゴッホは画家になろうと心を決めました。27歳のときのことです。
    たった一人で絵の勉強を始めたゴッホが描いたのは田んぼの刈り入れをする人、炭鉱や工場で汗を流して働く人など、自分の周りにいる貧しいけれど懸命に働いている人たちでした。
    ゴッホはそんな人たちのことが心から好きだったのです。

    写真の「種蒔く人」(1888年)はミレーの模写ですが、何処からどう見てもゴッホの作品になっています。
    パワー溢れる黄色や大胆な筆使いに心惹かれます。
    ゴッホ
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    おはなし名画「ゴッホとゴーギャン」の紹介記事

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    2.憧れのパリへ(絵:タンギー爺さん)

    ゴッホは本格的に絵の勉強をするためにパリに住んでいた弟のテオの所へ行くことにしました。絵を売る仕事をしていたテオはゴッホを暖かく迎え、兄弟で一緒に暮らすことにしました。
    ゴッホは画塾に通い、そこで多くの画家達と出会います。絵具屋を営んでいたタンギー爺さんと知り合ったのもこの頃のことです。
    タンギー爺さんは早くからゴッホの絵の素晴らしさに気付いていた人で、ゴッホの心の支えとなり続けました。
    この頃からゴッホは日本の絵に心を惹かれるようになりました。
    やがて、2年間暮らしたパリを離れて南フランスのアルルという町に引っ越すのは、そこに日本に似た景色があるに違いないと思ったからでした。

    写真の「タンギー爺さんの肖像」(1887年)の背景にも浮世絵が模写されています。ゴッホの浮世絵に対する思いの強さを感じます。
    タンギー爺さん
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    3.素晴らしいアルル(絵:ひまわり)

    ゴッホはアルルの素晴らしい自然に囲まれながら人生で最も充実した時を過ごします。
    この地でゴッホは1年の間に190点もの作品を描いています。中でも「ひまわり」(1889年)からは喜びや希望のエネルギーが伝わってきます。
    何の先入観も持たない小さな子どもが「おはなし名画」の「ゴッホとゴーギャン」を読むと、多くの場合、この絵を好むようです。とても素直で健全に育っているのだと思い、微笑ましい気持ちになります。
    しかし、ゴッホの絵は生きている間にはたった一枚しか売れませんでした。
    つくづく、絵の評価って分からないものです。
    ひまわり
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    4.ゴッホの夢(絵:夜のカフェ)

    ゴッホには長い間、心に膨らませてきた夢がありました。
    それはアルルに芸術家が集まって、皆で一緒に暮らしながら作品を生み出していけるような「家」を作りたいという夢でした。
    その最初の仲間として、ゴッホはどうしても友人の画家ゴーギャンに来て欲しかったのです。
    ゴッホはゴーギャンに「ぜひ来て欲しい」という手紙を何度も出しています。
    そして、ついにゴーギャンがアルルに来ると二人は早速「黄色い家」という名前のアトリエで一緒に暮らすことにしました。

    写真の「夜のカフェ」(1888年)の黄色は退廃的で病んだ感じがします。
    こういうゴッホも結構、好きです^^。
    ゴッホ
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    5.ゴーギャンとの生活(絵:星月夜)

    弟のテオはゴッホとゴーギャンの生活が上手く行くようにパリからお金を送って助けました。
    二人は仲良くアルルの町を歩き、一緒に絵を描き、お互いの絵を見せ合って感じることを話し合いました。ところが、絵については中々考えが合いません。お互い夢中になり、喧嘩になってしまうこともあります。
    ゴーギャンはこのままでは良くないと考え、アルルを離れようと思うようになります。
    そんなある日、ゴッホは自分の気持ちを抑えきれなくなり、刃物で自分の耳を切ってしまいました。驚いたゴーギャンはテオに電報を打ってこれを知らせると、そのままアルルを去っていきました。
    ゴッホの心に大きな傷が残り、ゴッホは重い心の病気に罹ってしまいます。

    写真の「星月夜」(1889年)もアルルで描いた作品です。
    ゴッホの目に星空はこのように映ったのでしょうか?ゴッホの狂気が伝わってくるようです。
    星月夜
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    6.最後の力を振り絞って(絵:オーヴェールの教会)

    ゴッホはアルル郊外の病院に入院します。
    病気と闘いながらもゴッホは絵を描き続けました。病院の窓から見える麦畑や中庭、病と闘う自分の顔も沢山描いています。やがて、病気が良くなるとパリに近い町オーヴェールに移り、精神科医ガッシェ博士の元で療養を続けます。ゴッホ37歳のときのことです。
    この地で亡くなるまでの2ヶ月にゴッホは約70点の絵を描いています。写真の「オーヴェールの教会」もその一つです。
    深い青色の空に渦巻く光、波打つ線で描かれた教会、暖かさを感じさせる明るい色使いで描かれた草木。
    ゴッホの苦悩や不安を暖かな力が支えているような安定感を感じます。ところが、この絵を描いた一ヵ月後にゴッホは自殺を図ります。
    ゴッホ
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    7.麦畑の出来事(絵:麦畑の糸杉)

    それは7月のある暑い日の午後のこと、麦畑のなかから一発の銃声が響きました。
    ゴッホは自分が愛し、絵に描いた風景「麦畑」の中で自殺を図ったのです。
    すぐに手当てを受けましたが、パリから駆けつけたテオが見守る中、2日後に亡くなってしまいました。
    そのとき、ゴッホは37歳、画家になってから10年しか経っていませんでした。
    この稀代の天才画家がもう少し長生きしていたらどんな作品を我々に残してくれただろうと思うと残念でなりません。

    写真は「麦畑の糸杉」(1889年)です。ゴッホは糸杉の絵もよく描いています。
    イエス・キリストが磔にされた木が糸杉だという言い伝えがあり、欧米では死や哀悼の象徴でもあります。
    ゴッホ
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    8.絶筆の作品(絵:ドービニーの庭)

    ゴッホが亡くなったとき、ポケットにはテオに宛てた最後の手紙が入っていました。
    「弟よ。僕は仕事に命をかけた。」
    ゴッホのお墓は麦畑のよく見える場所に建てられました。
    翌年、病気で亡くなったテオのお墓もその隣に建てられています。

    ゴッホはバルビゾン派の風景画家フランソワ・ドービニーの庭を3点描いています。中でも、写真の絵はゴッホの絶筆の作品とも言われています。
    直後に自殺する人の作品とは思えない生命力を感じます。
    ゴッホ
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